ロッカールームで恋バナを

今日もレスリングのスパーリングをして吐きそうになった。

ロッカールームでシャワーを浴び、髪の毛を乾かしていると、鏡越しに仲良しのSさんの姿が映った。その姿をよく見ると、Tシャツ一枚のみを身にまとっていた。もっとよく見ると、彼は自身の局部を、着ているTシャツに押し付け、そのシルエットを鏡越しに見せつけ、ニヤりと微笑んできた。

狂ってるねと、思ったことをそのまま伝えた。

そのついでに、彼がいま恋をしている女の子の写真を見せてもらった。めちゃくちゃ可愛くて、いま風で、インスタの投稿方法が斜め上をいくアーティスティックで、魅力的な若い女子だった。

直感的に思った(ちょい無理目じゃね?と)

なんせ、彼とその子の年齢差は11才もあるのだ。

しかし、その考えは一瞬で覆る。あまり詳しくは書けないが、Sさんは、とある職場の長(おさ)なのだ。狙ってる女子は職場のスタッフという事で、立ち位置的に十二分に狙えると感じ、僕は個人的にめちゃくちゃ応援してる事を伝えた。

どんな規模にせよ、集団を率いるボス猿は圧倒的にモテる。もっと言うと、客観的に見たら冴えない居酒屋の店長が、若くてピチピチのめちゃ可愛い子にモテる理論だ(ちなみにSさんは居酒屋の店長でもないし、冴えなくない。むしろモテそう)。

彼は「次のデートで仕留める。付き合ったら報告する」という強い言葉を残し、駅のホームで別れた。

秋から、美しい冬に変わるこの時期は、恋の季節だよなと浸りながら帰路を行く。