格闘技界のマツコ・デラックスが教えてくれたこと

キックを初めた当初は、怖くて相手に近寄れなかったり、面白いようにボコボコとパンチを貰ったり、無闇に飛び込めば返り討ちにあったり、相手に詰められてサンドバッグ状態になったり、強いボディブローをもらってダウン寸前になったり…

顔面に貰って口の中が切れたり、強烈なミドルを貰って後日病院にいったり、最近でも三日月蹴り気味の前蹴りを良いタイミングで貰って、めちゃくちゃアザになったり、、。

本当にキックボクシングって怖いし、痛いし、悔しいし、何度も何度も挫折に挫折を重ねたけど、やっと少しだけ、練習のトライ&エラーが実を結びはじめたような気がしている。ただ、いつも上達した予感がしながらも、次の週にはボロボロに打ち砕かれ、挫折する、、ということの繰り返しなので、なんとも言えないけど、今回ばかりは少しだけブレイクスルーできたような気がした。

先日、格闘技界のマツコ・デラックス(だと、僕が勝手に思っている)、前田日明さんが、RIZINで活躍するキックボクサー大雅選手のYouTubeでアドバイスをしていたのを食い入るように観た。シンプルな内容ながらも名言で溢れていた。

「格闘技は相手の嫌がることをする」「相手のリズムを読む」「読んだ上で、相手が嫌がるリズムで崩す(井上尚弥はそれが抜群に上手い)」「前で潰すか、後ろで潰すか」「そういったことを考える癖をつける」「頭(頭脳)を使う」「久保優太や、那須川天心はそこがすごいし、頭がいい」

前までの自分だったら、わかりそうで、その本質を理解でなかっただろうけど、今の自分なら何を言っているのかが良く理解できた。

なるほど!と、早く試してみたくなりジムへ向かう。

その日は、たまたまジムでいつもお世話になっているトレーナーSさんも同じようなことを教えてくれた。

というよりも、普段からSさんが指導してくれていることや、アドバイスしてくれていることの多くが、言葉や表現は違えど「前田日明と同じやん!」ということに気づけた。

自分が抱えていたキックボクシングに対する謎や悩み、色々な思考が繋がった感があった。さすがはSさんは名トレーナーだな..と身震いをした。

実際にスパーリングで試してみると、自分のリズムで相手を追い詰めることができたし、相手に攻めさせない感覚もわかったし、被弾もほぼなくなり楽に戦えるようになった。「前で潰す」という感覚に加えて、カウンターの感覚もなんとなくわかってきた。

こうなればスパーリングが楽しくなってくる。その日はたくさんのラウンド数を重ねた。

あとは、一つ一つの動きの精度を高めていけばもっと強くなれるという感覚が芽生えた。とはいえ、実力はまだまだだし、新たな壁にすぐにぶち当たるのだろうなと思いながらも、、数ヶ月悩み続けたことの謎が解けた気がしてとても爽快な気持ちに満たされたのだった。