事業会社平社員病

IT企業やWebサービスの会社で働いているデザイナーに会う機会がよくある。

デザイナーの人々に会うと、

「今後のデザイナーのキャリアプランについて」
「どこの会社がイケているか?」

という話になる。話し始めると楽しいのだけど、次第にみな口数が減っていく。

それは答えがわからないからだ。

キャリアプランも何が正解なのかわからないし、イケてる会社なんてどんどん移り変わっていく。
真面目で優秀な人であればあるほど、深く悩んでしまっている現状がある。

「このまま制作を続けていって40、50才になったらどうしよ?」

「起業に興味あるけど、やりたいサービスが思いつかない。自信ない」

「受託の仕事で独立するのもイイけど、受託って大変だしなぁ。。」

大抵のデザイナーは、このような思考が頭の中をグルグルと回っている事が予測される。
そういう人に、今後の目標やビジョンを尋ねると、中にはしっかりと答えられる人もいるが、多くの人に突き詰めて聞いていくと「特にない」という答えだったりする。

僕はそれを「事業会社平社員病」と呼んでいる。

「事業会社平社員病」とは、簡単に言えば、Webサービスの事業会社でなんとなく働いている状態だ。
充実と不満の度合いも様々だが、ほとんどが可もなく不可もなくという気持ちで働いている。慣れているから楽だし。給料もそこまでは悪くない。人間関係もおおむね良好。仕事も別に嫌いではない、どちらかと言えば好きだ。

でも、刺激が足りない…。

そんな状況だ。
あえて、平社員というワードをなぜ入れているかというと、役員や上層部の人は、やっている事業に生き死にがかかっているから、主体的に成らざるをえないが、平社員は正直、会社が倒産しても、別に大丈夫だから、そもそものマインドが違う。

今のところ僕が考える「事業会社平社員病」の処方箋は

副業

です。副業と言っても、あまりつまらない仕事をしても意味がありません。むしろ心が腐っていく可能性が高まります。。僕が言いたいのは、

「会社外にチームを持ちましょう」という事。

メンバーはできる限り特性の違う人同士で構成すると良いです。デザイナー / エンジニア / ディレクターの3人1チームが基本かと思います。それでサービスやプロダクトを作ると良いです。趣味でゆる〜くやるのも良いですが、マジで売り上げを出すためにやってやりましょう。そして、本業を喰ってしまいましょう。

会社員というのは、会社側のほうが立場が強いというイメージを持っている人が多いようです。でも、チームを持って、深くコミットしながらサービスを作り、本気で売り上げを狙う。

自分の所属するチームが強くなればなるほど、会社に依存しない生き方が見えてきます。

たとえ失敗したとしても、そこで得た経験は必ず本業でも生きます。

そして、仕事の本当の楽しさを感じる事ができるかと思います。だって、会社って社長とか投資家、役員のものだから。会社内で刺激がないのなら、自分達自身がそれになって「楽しい」を創るしかないじゃないですか!

どこか偉そうでポジティブな面しか書いていない文章になりましたが、これは自分に対する手紙です。幸い僕は今、本業以外にも素晴らしいチームに所属していて、日々プロダクトを作っています。久しぶりに仕事の楽しさを心の底から感じています。なので、このまま頑張ります!皆さんも頑張りましょう!!